正式名

ハースF1チーム | Haas F1 Team

拠点アメリカ・カナポリス
初参戦2016年
レース優勝0
選手権優勝0
チーム代表ギュンター・シュタイナー
テクニカルディレクターロブ・テイラー
レースドライバーミック・シューマッハ
レースドライバーニキータ・マゼピン
ソーシャルメディア

プロフィール

2014年4月にF1参戦が正式に承認されたハースF1チームは、1986年以来のアメリカチームとして2016年からF1参戦を果たした。

オーナーはNASCARスプリントカップシリーズで有力チームを率いるジーン・ハースだ。NASCARチームの拠点でもあるノースカロライナ州カナポリスのアメリカ本部に加え、イギリス・バンベリーにあるかつてマルシャが使用していたファクトリーを欧州での拠点としている。初代ドライバーにはロマン・グロージャンとエステバン・グティエレスが指名された。

エンジンサプライヤーのフェラーリと技術提携を結び、順調にグランプリデビューの準備を進めてきたハース。チーム代表はジャガーやレッドブルに在籍した経験のあるギュンサー・シュタイナーで、数々のF1チームを渡り歩いたロブ・テイラーがチーフデザイナーとしてマルシャから移籍し、チームマネジャーのデイブ・オニールも同じくマルシャから加入している。

そうして迎えたハースのF1初シーズンは喜びと落胆の相合わさったものだった。チームが実際にたどった道筋は、シーズン前に多くの人々が予測したのとは正反対の形をしたグラフを描いたことだろう。ロマン・グロージャンが開幕戦オーストラリアGPで6位、続くバーレーンGPで5位に入るという快挙にパドックは目を見張ったが、やがてF1の厳しい現実がチームを苦しめ始める。夏休み後のハースは終わりの見えないブレーキ問題を抱え、マシンはときにワイルドで御しがたいものとなった。第14戦イタリアGPと第20戦ブラジルGPでは大きなチャンスを逃し、後半戦の得点は1ポイントのみに終わっている。

2年目のハースF1を引っ張っていったのは、チームに残留したグロージャンとルノーから移籍したケビン・マグヌッセンだった。前年から続くブレーキ問題がチームに影を落とし、ベストリザルトだけを見れば第9戦オーストリアGPの6位(グロージャン)とデビューイヤーを下回ったものの、シーズンを通してグロージャンが8回、マグヌッセンが5回の入賞を遂げ、2人で2016年の29ポイントを大きく上回る47ポイントを稼ぎだしている。エースドライバーとしてここまでの歩みを見守ってきたグロージャンはハースF1が全てのエリアで著しく進歩したと評しており、人員の拡大を経て空力部門がより一貫し、優れたものになるという2018年にはさらなる進化が期待された。

2018年シーズンのハースF1はプレシーズンテストから信頼性とスピードが向上し、好成績が期待された。開幕戦オーストラリアGPの予選でマグヌッセン5番手、グロージャンが6番手につけたものの、ピット作業のミスにより両者ともリタイアに終わってしまう。その後のレースではグロージャン側にアクシデントやマシントラブルが集中して発生し、開幕から8レース連続でノーポイントとなった。中でも、第4戦アゼルバイジャンGPではセーフティカー導入中にクラッシュして6番手のポジションを失ったり、第5戦スペインGPではスタート直後に他のマシンを巻き込んでスピンしたことによりグリッド降格ペナルティを受けたりと、グロージャンにはドライビングの荒さも目立った。ただし、第9戦オーストリアGPで4位を獲得してからは成績が徐々に安定するようになる。一方のマグヌッセンも危険なドライビングでたびたび批判を受けたものの、比較的コンスタントに入賞し、5位と6位を2回ずつ獲得している。シーズンが終わってみれば前年の2倍となる合計93ポイントを獲得。ランキングでも前年の8位から5位へ躍進した。チーム代表のギュンサー・シュタイナーは「若いチームにとっては大きな成果だ」と評価している。2019年シーズンは同じドライバーラインアップを継続した。

2019年もプレシーズンテストを好調に進め、シュタイナーは「非常にポジティブであり、すべてうまくいった」と満足げに語った。実際、開幕戦オーストラリアGPでは予選でグロージャンが6番手、マグヌッセンが7番手につけ、レースではマグヌッセンが6位に入り好調さをアピールする。第2戦バーレーンGPではマグヌッセンが予選6番手につけるもレースではライバルチームに対してペースが決定的に不足し、この年のマシンVF-19に何か問題があることが予感された。その後のレースでもペース不足の原因がつかめず、予選では何度かQ3進出を果たしながらもレースではポジションを落とし、リザルトがずるずると悪化していく。第10戦イギリスGPではドライバー2人が同士打ちを演じてダブルリタイアとなり、チームは危機的状況に陥った。さらに悪いことに、冠スポンサーであるリッチ・エナジーの経営陣のトラブルにより、シーズン途中でパートナーシップが解消されてしまう。第11戦ドイツGPに至って開幕戦仕様のパッケージを持ち込んだところ、現行仕様の方が遅いという事実が露呈するありさまだった。皮肉なことにこのレースは天候が味方したこともあり、7位と8位でシーズンベストリザルトを残す。シーズン後半に入っても状況は好転することなく、以降の入賞はマグヌッセンが第16戦ロシアGPで9位に入るのが精一杯だった。2019年の成績はチームワーストとなる28ポイント、コンストラクターズランキング9位にとどまる。最悪の1年を過ごしたシュタイナーは「シーズンが終わってほっとした。これで来年に集中できる」とカムバックを誓った。

しかし、2020年シーズンを迎えてもマシンの競争力は改善せず、レギュレーション対応によるフェラーリPUのパフォーマンス停滞もあって、むしろ状況は悪化していく。ハースF1は多くのレースにおいて、中団グループの後ろで同じくフェラーリPUを搭載するアルファロメオ・レーシングやウィリアムズと争った。シーズンを通して入賞できたのは、第3戦ハンガリーGPでのマグヌッセンの10位と、第11戦アイフェルGPでのグロージャンの9位のみだった。シーズン終盤、グロージャンがレース中の大クラッシュによるけがで欠場したため、第16戦サヒールGPと最終戦アブダビGPではリザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディが代役を務めた。また、このシーズンをもってグロージャンとマグヌッセンの契約を終了し、2021年シーズンはともにルーキーであるミック・シューマッハとニキータ・マゼピンを採用している。