正式名

アルファロメオ・レーシング・オーレン | Alfa Romeo Racing ORLEN

拠点スイス・ヒンウィル
初参戦1993年
レース優勝1
選手権優勝0
チーム代表フレデリック・バッサー
テクニカルディレクターヤン・モンショー
レースドライバーキミ・ライコネン
レースドライバーアントニオ・ジョビナッツィ
ソーシャルメディア

プロフィール

元はペーター・ザウバーが1970年に創設したザウバーチームで、2019年からアルファロメオ・レーシングとしてエントリーしている。本拠地はスイスのヒンウィルで現在もザウバー・モータースポーツが運営を行っている。

アルファロメオはFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の傘下であり、チームはフェラーリからパワーユニットの供給を受けるだけでなく、商業面や技術面でも提携を強化している。

スイスに本拠地を構えていたザウバー・ペトロナス・チームはBMWに買収され、2006年からBMWザウバーとしてF1に参戦することになった。BMWはウィリアムズと共に過去5年で10勝をマーク。しかし、BMWはシーズン途中でザウバーの買収を発表した。ウィリアムズからニック・ハイドフェルドが加入し、ジャック・ビルヌーブはザウバーからの契約を継続して残留。引き続き、BMWモータースポーツ活動をけん引することになったマリオ・タイセンは、ウィリー・ランプ率いるエンジニアリング部門のスタッフ増強と投資拡大を図った。

ランプはBMW南アフリカに1989年から1993年まで赴任。1993年にキャラミで行われたペーター・ザウバーのF1初レースに招待され、その後、 1997年にBMWに復帰するまでチームのレースエンジニアとして活躍している。2年を経て、ザウバーにテクニカルディレクターとして戻ったランプは、 BMWザウバーでも同じ役職に就くことになった。

ビルヌーブとハイドフェルドの2人は互いに競いながら着実にポイントを獲得し、いいスタートを切っていた。しかし、ドイツGP の1周目に起きたハイドフェルドとビルヌーブの衝突に関し、ビルヌーブとチーム首脳陣が仲たがい。同グランプリが元ワールドチャンピオンの最後のレースとなった。これにより、テストドライバーだったロバート・クビサがレースシートに座り、その後任をリクルートしたチームはF3ドライバーだったセバスチャン・ベッテルを起用。クビサは成長中のスター性を証明し、一方のベッテルが金曜フリー走行で印象的な走りを見せるなど、コンビネーションはうまくいったようだ。

ハイドフェルドがハンガリーGPで3位表彰台に上ったことに加え、クビサは自身3戦目のイタリアGPで見事3位に入った。次戦中国GPでドライタイヤに履き替えるタイミングさえ間違わなければ、クビサはさらに表彰台の回数を増やしていたことだろう。BMWザウバーとしてのF1デビューシーズンとなった2006年、チームは36ポイントを獲得し、トヨタの1つ前の5位でチャンピオンシップを終えている。

強さを見せ付けたデビューイヤーを終え、大きな変動もなく2007年に臨んだBMWザウバーは、合計101ポイントを獲得してフェラーリに次ぐ選手権2位でフィニッシュ。このシーズンにおけるチームのハイライトには、カナダGPでハイドフェルドが2位表彰台に上ったことが挙げられる。その一方、同じレースでクビサが大クラッシュを喫しており、1週間後に行われたアメリカGPを欠場するというアクシデントもあった。クビサが表彰台に上ることはなかったが、初のフル参戦シーズンをドライバーズ選手権4位で終えるという結果を残している。1年を通して着実にポイントを獲得したBMWザウバーではあるが、フェラーリやマクラーレンに挑めるほどのペースはなかった。2008年シーズンに向けて、チームは引き続きハイドフェルドとクビサのコンビと共に上位2チームとのギャップを縮めることを目標に掲げた。

その2008年シーズンは初戦オーストラリアでクビサがフロントローにつくという強力なスタートを切った。クビサはモントリオールで強力な走りを披露し、自身とチームにとって初の優勝を手にした。ただし、シーズンが進むにつれて2009年の開発に焦点をあわせたため、後半戦では失速を余儀なくされている。クビサは同シーズンを前年度王者のライコネンと同点の4位でフィニッシュ。ハイドフェルドは問題を抱えながらも、チームをコンストラクターズ選手権3位に押し上げるだけの活躍を見せている。

ドライバー陣に変更を加えず次なる目標達成を目指した2009年は、その意気込みと裏腹に厳しい幕開けとなり、7月にはついにBMWがシーズン末でのF1撤退を発表するに至った。クビサとハイドフェルドが計36ポイントを獲得してコンストラクターズ選手権6位でシーズンを終えた段階でもチームの将来は不確かな状態だったが、11月の終わりに創設者のペーター・ザウバーがチームを買い戻すことでBMWと合意したことが明かされる。トヨタでティモ・グロックの代役を務めて印象的な走りを見せた小林可夢偉とマクラーレンで長くテストドライバーを務めてきたベテラン、ペドロ・デ・ラ・ロサをドライバーに迎え、フェラーリエンジンを搭載したザウバーはチームの新時代へと漕ぎだした。

2010年の序盤は相次ぐリタイアで完走すら難しかったものの、中盤からは主に可夢偉の活躍で得点を集め始める。第15戦シンガポールGPからデ・ラ・ロサに代わってハイドフェルドが再びチームに加入し、ザウバーは可夢偉の32ポイントに加えてデ・ラ・ロサとハイドフェルドの各6ポイントでコンストラクターズ選手権8位につけた。

翌年はフル参戦2年目の可夢偉をエースに据え、メキシコの新星セルジオ・ペレスを可夢偉の相棒に起用する。開幕戦からそろってトップ10でチェッカーを受けた2人だが、レース後にリアウイングの規定違反によって失格処分を科されてしまった。それにめげることなく健闘を続けたザウバーは、前年より1つ上のランキング7位でシーズンを締めくくり、可夢偉とペレスのコンビをキープして2012年の戦いに臨んだ。

その2012年はザウバーにとって確かな前進を示す1年となる。第2戦マレーシアGPでペレスが優勝すら狙えるパフォーマンスを見せて2位表彰台に上ると、第7戦カナダGPで3位、第13戦イタリアGPで2位に入る。さらに、可夢偉がホームグランプリの鈴鹿で3位につけ、ザウバーはランキングとしては2011年より1つ上の6位ながら、ポイントでは3倍近くを稼いで中堅チームにおいて確かな地位を築いた。また、第16戦韓国GPの直前には69歳の誕生日を間近にしたペーター・ザウバー代表が辞意を明らかにし、当時CEOだったモニーシャ・カルテンボーンが後任としてF1史上初の女性チーム代表に就任している。

2013年はドライバーラインアップを一新し、テスト兼リザーブドライバーからレギュラーに昇格したエステバン・グティエレスのチームメイトとしてフォース・インディアからニコ・ヒュルケンベルグが移籍した。前半戦でほとんど得点を手にできなかったザウバーは、第10戦ハンガリーGPでアップグレードを投入。これが功を奏して調子が上向いたものの、この年の結果は2012年に比べれば不満の残る57ポイント、7位に終わった。

ヒュルケンベルグがフォース・インディアへ戻った翌年は、代わって同チームからザウバーに復帰したスーティルとグティエレスがコンビを組むことになった。エンジンルールが大きく変わり、V6ターボエンジンが導入された2014年はザウバーにとってチーム創設以来、最も苦しい一年となり、一度も入賞することができなかった。盛り返しを図る次年度のドライバーとしては資金の豊富な若手であるマーカス・エリクソンとフェリペ・ナッサーの登用が発表されたが、実はその前の段階で契約が残るスーティルと2014年のリザーブドライバーだったギド・ヴァン・デル・ガルデがレースシートを獲得することになっていた。スーティルとヴァン・デル・ガルデはザウバーの契約違反を非難したものの、この問題が解決されないまま2015年の開幕戦が近づく。

シーズン初戦のオーストラリアGPを約1週間後に控えた時点で事態が大きく動き、ヴァン・デル・ガルデがメルボルンでザウバーを相手に訴えを起こす。裁判所はヴァン・デル・ガルデにシートを渡すべきと断じ、一時はカルテンボーンに実刑判決が下る可能性も取り沙汰されたが、最終的にはチームがヴァン・デル・ガルデに和解金を支払うことで解決。ドライバーはエリクソンとナッサーに確定する。ペイドライバーと揶揄(やゆ)されることもあった2人だが、ナッサーが6戦、エリクソンが5戦で入賞を遂げ、ザウバーは計36ポイントを集めて8位につけた。チームは7月の時点で翌シーズンのコンビ継続を発表している。

財政とパフォーマンスの両面でより深刻な苦境に陥った翌年のザウバーを一味違うものにしたのは、母国レースのブラジルGPで9位フィニッシュを果たしたナッサーが持ち帰った2ポイントだ。終盤戦までノーポイントだったザウバーはこの得点によってマノーを上回り、ランキング10位でシーズンを終えることができた。この結果がもたらす財政的な見返りはチームにとって貴重なものであり、この年にザウバーを買収した『Longbow Finance(ロングボウ・ファイナンス)』にとっても歓迎すべき追い風となるだろう。2016年は厳しいスタートを切ったザウバーだったが、ロングボウの買収以降は新テクニカルディレクターのヨルグ・ザンダーはじめ、技術陣を大幅に補強。1年落ちのフェラーリエンジンを使用する2017年のラインアップには、エリクソンを据え置きし、ナッサーに代えてマノーからメルセデスジュニアドライバーのパスカル・ウェーレインを起用した。

しかし、ウェーレインは1月に参加したレース・オブ・チャンピオンズ(ROC)で負傷したことが元で開幕までに十分なトレーニングができなかったため、シーズン初戦と第2戦ではフェラーリの育成ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィがその代役を務めている。ウェーレインが無事に復帰を果たしてから間もなく、今度はザウバーが2018年からHondaのエンジン供給を受けることが発表される。大きなニュースはその後も続いた。6月下旬に突如カルテンボーン代表が解任され、7月に入って元ルノーのフレデリック・バッサーがその後任となることが明らかになったのだ。カルテンボーン代表の離脱はザウバードライバーたちでさえ寝耳に水の出来事だった。この交代劇に伴ってHondaとの提携もご破算になるなど、混乱が続いた。レースに関してはライバルたちと比べてペース面で大きく見劣りし、5ポイントしか獲得できずランキング最下位に沈んでいる。

なんとしても競争力を取り戻したい2018年シーズンに備えて、ザウバーはフェラーリとのパートナーシップを大幅に強化した。まず、フェラーリから供給されるPUは1年落ちのモデルから最新型に変更し、商業面と技術面の提携も深めた。さらにFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)参加のアルファロメオをタイトルスポンサーに迎えてマシンのカラーリングを一新。そしてエリクソンとコンビを組むドライバーには、フェラーリ・ドライバー・アカデミー出身で2017年のF2チャンピオン、シャルル・ルクレールを起用した。シーズンが始まると、第2戦バーレーンGPでエリクソンが9位に、第4戦アゼルバイジャンGPでルクレールが6位に入り、それぞれシーズン初入賞を果たす。特にルクレールの活躍は目を見張るものがあり、多くの予選でQ1を突破し、チャンスがあればQ2をも突破しグリッド10位以内につけてみせた。レースにおいても幾度となく入賞し、特にシーズン終盤にかけては3戦連続で7位に入るなど、チームに大きく貢献した。一方、チーム4年目となるエリクソンは3年連続ノーポイントを免れたものの、ルーキーに大きな差をつけられた。ザウバーは48ポイントを獲得し、ランキング8位でシーズンを終えている。さまざまな変革が実を結び、最下位脱出を果たしたチーム代表のフレデリック・バッサーは、最終戦を終えて「最高の気分だ」と喜びをあらわにした。

2019年、チーム名をアルファロメオ・レーシングに変更したチームは、ルクレールのフェラーリ移籍に伴いキミ・ライコネンを迎え入れ、エリクソンに代わってフェラーリのサードドライバーを務めたアントニオ・ジョビナッツィを起用した。シーズン開幕から4戦連続でライコネンが入賞し、中団グループで互角以上の戦いを見せる。しかし、マシン開発の遅れからか、フライアウェイ戦が終わった第5戦スペインGPから失速。予選、レースともに中団グループのライバルたちから離される状況が続いた。シーズン中盤に入ると競争力を取り戻し、第9戦オーストラリアGPではシーズン初のダブル入賞を果たす。第11戦ドイツGPでは天候で荒れたレース展開の中2台が好走し、7位と8位でゴールするも、クラッチのレギュレーション違反によるペナルティを受けて2度目のダブル入賞を逃した。このレース以降は特にジョビナッツィが失速し、Q1突破もままならない状況が続く。シーズン終盤の第20戦ブラジルGPではライコネンが久々にQ3に進出し、レースでも2台のピット戦略が当たってライコネンが4位、ジョビナッツィが5位とシーズンのベストリザルトを記録した。コンストラクターズランキングでは2018年と同様の8位だった。

2020年、マシンの競争力不足によりアルファロメオは苦しいシーズンを送った。開幕戦オーストリアGPこそジョビナッツィが9位でゴールしてポイントを獲得したが、その後は低迷する。予選においてもQ1を突破するのが厳しい状況が続いた。シーズン中盤になるとやや改善し、第9戦トスカーナGPでライコネンが9位。第11戦アイフェルGPでジョビナッツィが10位で入賞する。第13戦エミリア・ロマーニャGPではシーズン唯一のダブル入賞を果たした。しかし、その後は再び下位に低迷。結果として前年と同じランキング8位でシーズンを終えた。チーム代表のフレデリック・バッサーは「楽なシーズンではなかった。レースとレースの間にほとんど時間がなかったことは、チーム個々人のコンディションに大きな影響を与え、通常は9カ月にわたるマシン開発に大きな試練をもたらした」と分析している。

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