ラッセルのタイヤ装着ミスでメルセデスに罰金処分

メルセデスのジョージ・ラッセル【サヒールGP/サヒール、2020年12月6日(Mercedes-AMG Petronas Formula One Team)】


FIAはサヒールGP終盤にメルセデスが犯したタイヤ装着ミスに関して、チームに罰金処分を科した。

バーレーン・インターナショナル・サーキット外周のショートコースを舞台に繰り広げられたサヒールGPではレース終盤まで、新型コロナウイルスの問題で欠場を余儀なくされたルイス・ハミルトンに代わってメルセデスのステアリングを握ったジョージ・ラッセルが先頭を走り、オープニングラップでラッセルにリードを奪われながらも2番手を好走していたバルテリ・ボッタスの2人が1-2態勢を築いていた。

しかしながら、ラッセルの代役としてウィリアムズをドライブしたジャック・エイトケンが最終コーナー付近のウオールにフロントウイングをぶつけてしまい、そのデブリを撤去するためにセーフティカーが導入された際、メルセデスは3番手以下とのリードが十分にあったことからタイヤを交換してチェッカーを目指そうとしたが、ここで無線によるトラブルが発生。

メルセデスはラッセルとボッタスのダブルストップを敢行したが、先にラッセルがピットインするとの情報が正しく伝わっておらず、ラッセルのフロントタイヤにボッタス用のタイヤを装着してしまうミスが起きた。ラッセルはそのままピットアウトしてコースに向かい、続けてピットボックスにおさまったボッタスは、しばらく停車した後、ピットインしたときと同じタイヤセットでコースに送り出されている。

ラッセルは次の周回でもう一度、ピットに入って適切なタイヤに履き替えたものの、悪夢はこれだけにとどまらず、再び優勝を目指して猛チャージをかけていた際に、コース上のデブリを踏んだことでスローパンクチャーに見舞われ、緊急ピットストップが必要となって大きくポジションを落とした。それでも、数台を追い抜いて9位フィニッシュを果たしたラッセルはF1キャリア初ポイントを手に入れている。

レース後、スチュワードの呼び出しを受けたメルセデスは無線の問題を報告。レギュレーションでは失格処分を受ける可能性もある違反ながら、スチュワードは事情を鑑みてチームに対する2万ユーロ(約250万円)の罰金処分にとどめるとし、声明の中で次のように説明した。

「スチュワードはロン・メドウズ(メルセデスの代表者)とニコラス・トンバジス(FIA F1技術責任者)から話を聞いた。レポートにある通り、カーナンバー63(ラッセル)はカーナンバー77(ボッタス)に配分されたフロントタイヤを装着していた」

「これは無線コミュニケーションの技術的問題によって生じたもので、ピットウオールからピットクルーに向けて、63号車が(後ではなく)77号車より先にピットに入ることを伝えるメッセージが63号車のクルーに伝達されなかったことに起因する。それは63号車のドライバーがメッセージと同じタイミングで発信したことによって上書きされてしまったためだった」

「その結果、77号車のフロントタイヤが63号車に装着されるという過失が生じた。(2台は立て続けに入る“ダブルストップ”を行っていた)これは明らかな規則違反であり、通常ならば失格を含むスポーティングペナルティに相当するものだ」

「しかしながら、今回の場合は上で言及した無線のトラブルに加えて、酌量すべき情状が認められる」

「第1に、チームは1周以内に問題を修正した。これには63号車がもう一度ピットストップし、さらにポジションを下げたことが含まれている」

「第2に、77号車はタイヤ交換のためにピットストップをしたものの、装着すべきフロントタイヤが63号車に装着されていることが判明した。そのため同車は長い遅延の後、ピットストップ前のものと同じタイヤでコースに戻された。これもまた、77号車の最終順位に影響を与えている」

「第3に、こうしたタイプの違反は第24条4項b)にて言及されている(現在は異なるスペックのタイヤ使用についてのみ言及)“3周の許容値”の要件を満たしてはいないものの、性質としては類似しているとわれわれは考える」

「しかしながら、どのチームにもタイヤを規則にのっとって装着する義務はあるため、何らかのペナルティは必要だと考えられる」

「こうしたタイプの違反が遅延なく修正された場合に対応できるよう、FIAには第24条4項b)の改訂を検討するよう推奨する」

「このタイプの違反はこれまでF1では経験したことのないものだったことを注記しておく」

【C/M】