ハミルトン、今後も「ここでやるべき仕事がたくさんある」

メルセデスのルイス・ハミルトン【トルコGP/イスタンブール、2020年11月15日(Mercedes-AMG Petronas Formula One Team)】
メルセデスのルイス・ハミルトン【トルコGP/イスタンブール、2020年11月15日(Mercedes-AMG Petronas Formula One Team)】

15日(日)、シーズン第14戦トルコGP決勝レースでメルセデスのルイス・ハミルトンが逆転優勝を果たすとともに7回目のドライバーズ選手権優勝を遂げた。僚友バルテリ・ボッタスはスタート直後に他車との接触を回避しようとした際にスピンを喫して大きく後退し、巻き返しを図るも思うようにポジションを上げられず、14位完走にとどまっている。

ルイス・ハミルトン

「僕たちや僕はよく、想像もできないような夢の果てって言葉を使うけど、僕はこれまでずっとひそかにこの場所を夢見ていた気がする。でも、いつもあまりにも途方もないことのように感じられた。マイケル(シューマッハ)がタイトルを取り続けていた頃のことを覚えているし、僕たちドライバーは自分たちにできる最高の仕事をしようとするけど、それでも1回タイトルを取るだけでも大変で、2回、3回なんてすごく難しいことなんだ。それを7回だなんて、想像も及ばないよ。でも、これほど素晴らしい人たちのグループと仕事をし、コミュニケーションを取り、互いを信頼し、相手の言葉に耳を傾けていると、一緒にできることに限界はないんだ。このチームと僕が一緒にできることには終わりがない。この成果をとても誇りに思う。今日みたいに彼らが僕を信じてくれたのは、経験から来るものだ。今年は、すごくタフだった・・・外出もままならず、ディナーに行くこともできず、ただバブルの中でじっとしていた。毎日ルームサービスを利用し、楽しいことなんて何もなかった。当然ながら、それは僕がチャンピオンシップを戦わなければいけないからだ。今年はかつてなかったほど多くの犠牲を払ったと思う。すごくきつかった。この喜びを味わうのは、家族と会い、友人たちと会えるまで待とうと思う。彼らとこの瞬間を共有したいからね。今日のレースをすごく誇らしく思う。以前のうまくいかなかった時のことを思い浮かべていたんだ。例えば2007年の中国。摩耗したタイヤで、ピットレーンでチャンピオンシップを失った。今までの過程で学んだ全てのことを今日は生かすことができた。今日のリザルトとギャップはそこから生まれたんだ。同時に、僕はまだスタートしたばかりの気がしている。おかしな話なんだけどね。フィジカル的には最高の状態だし、今年はメンタル的にたくさんの、何百万人もの人々にとってすごくつらい年だった。この大きなステージの上では全てが輝いて見えるのは知っているけど、僕たちアスリートだって何も変わらない。どうやって切り抜けたらいいか分からないほどのチャレンジだった。でも、周りにいる素晴らしい人々、僕のチーム、チームLHの助けを得て、どうにか水面に顔を出し、集中することができた。来年はもっといい年になってほしい。僕はここに残りたいよ。ここでやるべき仕事がたくさんある気がしている。今は、スポーツとしての自分たちの責任を果たすべくプッシュを続けている。僕たちは自分たちが訪れる各国に存在する人権問題を無視せず、立ち向かわなければいけないんだ。そうした国々とどう向き合い、どうしたら変革を促せるのか。10年、20年先じゃなく、今考えなければいけないことだ。そして僕はより持続可能になるための道のりでF1を助け、メルセデスを助けたいと思っている。少なくともその初期段階に一員となって関わりたい。もう少しだけ長くね」

バルテリ・ボッタス

「長いレースだった。とても長い日だった。最初のラップ以降、全てがうまくいかなかった。誰かは分からないけど、1コーナーで誰かが目の前でスピンしていて、それを避けようとした僕もスピンしてしまった。そしてターン9で接触してしまい、そこからはもうそれまでと同じマシンではなくなっていた。コース上にとどまることに苦労した。ハンドルがおかしな感じで、フロントウイングの一部が欠けていて、コース上にとどまることができなかった。最後まで生き残れるかどうかがすべてで、良いレースではなかった。ルイスを祝福するよ。彼は完全にこのタイトルに値する。今年全体を通して彼の方が上だった。7度のタイトル獲得というのは僕たちのスポーツでとても印象的な成果だ」

オラ・ケレニウス(ダイムラー、メルセデス・ベンツ取締役会会長)

「ルイス、7度のワールドチャンピオン獲得おめでとう。なんという素晴らしい成果だ! ルイスは、20年以上にわたってメルセデスファミリーの一員だった。彼は信じられないほどのカートの才能の持ち主としてわれわれに加わったが、今では史上最高のドライバーの1人だ。ルイスは完璧を目指し、ほとんど何も残っていないように見えても改善を続けている。そして私は彼の旅が次にどこへ向かうのか見ることを楽しみにしている。ルイスのコース上での進化だけでなく、彼のコース外での刺激的な旅もまた印象的だ。ルイスはさらなる多様性と社会の一体化を求める熱心な提唱者となった。また、この重要な目的を支援するための具体的な行動を起こしている。チームとして、そして会社として、私たちは彼と共にある。ルイス、あなたがわれわれのファミリーの一員であることを誇りに思う。 メルセデスを搭載したマシンで、7度のワールドチャンピオンを達成してくれてありがとう!」

クリスチャン・トト・ウォルフ(チーム代表兼CEO)

「今日もまた、ドライブに集中しながらタイヤをケアし、レースを自分のものにしていくという、序盤の自分の有利に運ばない状況に対応するルイスの能力がいかに素晴らしいかが示された。それが今日の結果の違いを生んだのだ。彼はライオンのようにハングリーだった。終盤は雨のリスクがある中、スリック(のようになったインターミディエイトタイヤ)で走り、F1通算94勝目を飾るとともに、7度目のタイトル獲得を達成、なんと素晴らしい偉業だろうか。今年は世界中の人々にとって本当に難しい年になっているので、非常に特別な1年だ。皆さんにいくらかの喜びとエンターテインメントを届けられていることを願う。今回のようなレースを終えてトップに立つというのは本当に信じられない思いだ。ルイスについては、ともに過ごした年月を通して本当に強力な関係を築いてきた。このチームは100%、彼の味方であり、彼もまた100%でチームを味方してくれる。つまり、今日はその信頼が非常に輝いた日だったと言えよう。あらゆる逆境に打ち勝っての勝利だ。とにかくシンプルに、ルイスにおめでとうと言わなければね。彼の成し遂げる見事な仕事は、このスポーツにおける新たなベンチマークを打ち立てたのだから。これから一緒に帰宅するので、どうやってお祝いするか相談しなければならない。どうにか見つけられるはずだよ!」

アンドリュー・ショブリン(トラックサイドエンジニアリングディレクター)

「今日、ルイスが7度目のチャンピオンであるにふさわしい理由をわざわざ考える必要はないが、いずれにせよ、彼はそれを示してくれた。彼がこれまでに成し遂げてきた成功はすべて見合ったものであり、表彰台の頂点に立ってチャンピオンシップ制覇を祝う彼を見届けられたのは特権だった。“気象条件の変化”に関するルールに沿って、マシンにいくらか変更を加えることができたので、今週末では初めてタイヤを機能させられた。序盤のラップは明らかにとてもトリッキーだったし、DRSがない状態ではとりわけ追い抜きを仕掛けられるところに近づくことさえ、驚くほど難しかった。バルテリは好スタートを決めたものの、ターン1でルノーの1台を避けようとしてスピンを喫し、その後にはターン9で接触した影響でいくらかダメージを受けたため、それが彼のレースを台無しにした。ルイスも好スタートながら、ターン9でややロングに突っ込んでしまい、いくつかポジションを失ってしまったことでセブ(ベッテル/フェラーリ)の後方に長くスタックするはめとなり、レースがさらに難しくなった。戦略はわれわれが予想していたよりもシンプルなものとなり、ピットウオールにおける議論の最大のポイントはインターの1セットでどれだけの距離を走りきれるか、だった。これまでにあれほど長く走ったことがなかったので、答えがまったく分からなかったのだ。ルイスはタイヤのケアに関して素晴らしい仕事を果たし、スティントを管理しながら、余分なピットストップの必要性を回避してくれた。まだ3レースが残っている。中東でのいくらか暖かい気候を楽しみにしつつ、できれば強力な結果をもって今シーズンを締めくくりたい」

【M/K/C】