タイトルの行方が懸かったレース最終盤の展開が問題に【アブダビGP:ペナルティ】

レーススタート【アブダビGP/ヤス・マリーナ、2021年12月12日(Getty Images / Red Bull Content Pool)】


シーズン最終戦にしてドライバーズチャンピオンシップの決戦の舞台となった第22戦アブダビGPでは、レースと選手権の結果を大きく左右した展開に対するメルセデスの2件の抗議が棄却された。

メルセデスはレース終盤のセーフティカー出動中に2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がラップリーダーであるルイス・ハミルトン(メルセデス)の前に出た件への異議、および、セーフティカー中の手順の不備による最終結果の修正を申し立てていたものの、スチュワードはメルセデスとレッドブル、ならびにレースディレクターの見解を踏まえ、いずれも棄却との裁定を下した。

一方、予選ではアウトラップ中のマシンが先行するマシンと間を空けようと試みる中で、アタックラップ中のマシンの走行を妨害した疑いが複数取り沙汰されたものの、実際に何らかのペナルティが科されたのは、チームがドライバーに他車の接近をより適切に伝える方法はあったと断じられたアルピーヌのエステバン・オコン(ドライビングに関する戒告)のみだった。

その他を含め、アブダビGPの週末を通してスチュワードが審議し、何らかの処分を下したインシデントおよびペナルティの詳細は以下の通り。

アブダビGP初日:12月10日(金)

【金曜フリー走行1回目】

◆ターン7のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン7でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

13時41分11秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分57秒281
14時20分36秒 55. カルロス・サインツ(フェラーリ)/2分10秒779
14時24分46秒  9. ニキータ・マゼピン(ハースF1)/1分33秒541

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン15のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン15でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

13時37分45秒 14. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)/1分27秒624
13時45分21秒 22. 角田裕毅(アルファタウリ)/1分27秒092

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

13時33分59秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/1分26秒580、2分11秒905
13時34分07秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分28秒247、2分21秒073
13時38分02秒 55. カルロス・サインツ(フェラーリ)/1分27秒594、2分50秒042
13時38分28秒  6. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)/1分28秒686、2分17秒478
13時39分00秒 11. セルジオ・ぺレス(レッドブル)/1分26秒652、2分50秒513
13時42分14秒  6. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)/1分28秒281、ピットレーン
13時44分26秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分26秒864、2分21秒587
13時48分41秒 14. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)/1分26秒505、ピットレーン
14時12分27秒 44. ルイス・ハミルトン(メルセデス)/1分25秒042、2分41秒676
14時29分55秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/1分29秒766、1分31秒317

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ダブルイエローフラッグ区間の通過によるタイム抹消
違反内容:下記のマシンがダブルイエローフラッグの区間でオーバーテイク
裁定:レースディレクターの指示書第7条に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時12分32秒  7. キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)/1分42秒531

裁定理由:スチュワードはタイミングインフォメーションと、上記のマシンがコース上で発生したインシデントに起因するダブルイエローフラッグが掲示されている区間にいたとのレースディレクターからの報告を検討した。よって、スチュワードは国際スポーティングコード第11条9項2号にある権限に基づき、レースディレクターの指示書第7条にある手順に従ってタイムを抹消する。

【金曜フリー走行2回目】

◆セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)
違反内容:ピットレーンを時速81.5㎞で走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:アストンマーティンに罰金200ユーロ(約2万5,000円)
裁定理由:カーナンバー5(ベッテル)が本イベントにおいて時速80kmと定められているピットレーンの速度制限を時速1.5㎞超過したため。

◆セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)
違反内容:ピットレーンを時速81.1㎞で走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:アストンマーティンに罰金200ユーロ(約2万5,000円)
裁定理由:カーナンバー5(ベッテル)が本イベントにおいて時速80kmと定められているピットレーンの速度制限を時速1.1㎞超過したため。

◆ターン7のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン7でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時06分33秒 44. ルイス・ハミルトン(メルセデス)/2分57秒900
17時10分44秒 44. ルイス・ハミルトン(メルセデス)/3分02秒779
17時13分37秒 55. カルロス・サインツ(フェラーリ)/2分32秒761

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

アブダビGP2日目:12月11日(土)

【土曜フリー走行】

◆ターン7のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン7でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

14時15分45秒  9. ニキータ・マゼピン(ハースF1)/1分50秒771

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

14時13分53秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分26秒936、1分56秒958
14時36分11秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分26秒259、ピットレーン
14時59分05秒  7. キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)/1分26秒337、1分45秒594

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

【予選】

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

17時09分43秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分23秒842、ピットレーン
17時43分18秒 16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)/1分23秒284、ピットレーン
17時54分27秒 22. 角田裕毅(アルファタウリ)/1分23秒011、ピットレーン

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ダブルイエローフラッグ区間の通過によるタイム抹消
違反内容:下記のマシンがダブルイエローフラッグの区間でオーバーテイク
裁定:レースディレクターの指示書第7条に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時41分35秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/2分57秒465

裁定理由:スチュワードはタイミングインフォメーションと、上記のマシンがコース上で発生したインシデントに起因するダブルイエローフラッグが掲示されている区間にいたとのレースディレクターからの報告を検討した。よって、スチュワードは国際スポーティングコード第11条9項2号にある権限に基づき、レースディレクターの指示書第7条にある手順に従ってタイムを抹消する。

◆エステバン・オコン(アルピーヌ)
違反内容::ターン16でカーナンバー5(セバスチャン・ベッテル/アストンマーティン)の走行を妨害、FIAF1スポーティングレギュレーション第31条5項に違反
裁定:戒告(今季2回目、ドライビング関連は1回目)、およびアルピーヌに罰金1万ユーロ(約130万円)
裁定理由:スチュワードはカーナンバー31のドライバー(オコン)とカーナンバー5のドライバー、各チームの代表者から事情を聴取し、映像とチームラジオおよびテレメトリーによる証拠を確認した。証拠では、カーナンバー31のドライバーはターン15からターン16の間でカーナンバー5が2.5秒後方にいるとの警告を受けたと話している。しかしながら、コースレイアウトの影響で彼はターン16までカーナンバー31を視認できず、そのため、反応する時間がなかった。

このインシデントは予選での妨害とされる他のインシデントと共通する要素が多い。多くのマシンがウオームアップのために非常にスローなラップを行ったことで、アタックラップ中のマシンとの間に大きな差ができていた。そのことがアタックラップ開始時に前にいるマシンとの間にギャップを築いておきたいという全ドライバーの望みと相まって、アタックラップ中の他のマシンに“影響”を与えかねない状況になる。しかしながら、スチュワードは本件を“妨害”、特に”不必要な妨害“とは異なると見なしている。スチュワードはカーナンバー31がカーナンバー5のラップに影響を与えるのを避けるためにできたことはほとんどないと判断する一方、カーナンバー5の接近をもっと早く伝えるためにチームにできたことはあったとここに指摘する。

通常はラジオコミュニケーションの不足によってドライバーの責任を免除することはないものの、われわれは本件においては軽減の理由になると見なす。したがって、グリッドペナルティは科されない。

アブダビGP決勝:12月12日(日)

【決勝】

◆カーナンバー9の辞退
スチュワードはハースF1チームからカーナンバー9(ニキータ・マゼピン)の不可抗力による辞退の要請を受け取った。この要請は承認されている。

◆ターン7のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン7でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時07分22秒 47. ミック・シューマッハ(ハースF1)/1分33秒612

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン15のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン15でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時09分32秒 18. ランス・ストロール(アストンマーティン)/1分31秒871
17時27分22秒 33. マックス・フェルスタッペン(レッドブル)/1分29秒006

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

Lap Time
17時29分19秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分30秒310、1分30秒160
17時49分13秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分29秒310、1分29秒471
18時06分04秒 16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)/1分28秒338、1分28秒729
18時12分17秒 18. ランス・ストロール(アストンマーティン)/1分28秒776、1分28秒789
18時20分16秒  6. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)/1分29秒752、1分28秒789、(未完了)

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆カーナンバー33(マックス・フェルスタッペン/レッドブル)に対するメルセデスの抗議
裁定:抗議の棄却
実施された手続き:
1. 12月12日19時45分に各陣営が招集され、事情聴取が行われた。このヒアリングには下記の人物が出席した。
<メルセデス側代表>
ロン・メドウズ
アンドリュー・ショブリン
ポール・ハリス(法律顧問)
<レッドブル側代表>
ジョナサン・ウィートリー

2. ヒアリングにおいて、スチュワード団の構成については異議がなかった。両陣営は口頭での議論に着手し、スチュワードに尋ねられた疑問に対処した。

3. ヒアリングにおいて、両陣営は提出された文書に言及した。いずれの陣営もさらなる証拠を提出したり、新たな人物をヒアリングに参加させたり、さらなる調査を行ったりといったことはしなかった。

メルセデス側の主張:
メルセデスはカーナンバー33がカーナンバー44をセーフティカーピリオドにあたる18時32分にオーバーテイクしており、これが2021年F1スポーティングレギュレーション第48条8項に違反すると主張。

レッドブル側の抗弁:
レッドブルはカーナンバー44がカーナンバー33によって“オーバーテイク”はされていないと論じ、両マシンは“スロットルを開閉していた”のであって、セーフティカー中にマシンが横並びになった後に先行するマシンの後ろに下がった“無数の先例”があると述べた。

スチュワードの結論:
スチュワードはこの抗告を受け入れ可能なものだと見なしている。

両者のさまざまな意見を検討した結果、スチュワードは、両マシンが加速と減速を繰り返している最中に、カーナンバー33がある段階で非常に短時間、わずかにカーナンバー44の前に出てはいたものの、カーナンバー44の後ろに再び戻っており、セーフティカーピリオドが終了した時(すなわちライン通過時)には前に出てはいなかったと断定した

競技長がそうすることが安全であると判断し、公式メッセージ送信システムにより“周回遅れのマシンはオーバーテイクしても良い”というメッセージが全コンペティターに出された場合には、リーダーに周回遅れにされていたどのマシンもリードラップにいるマシンとセーフティカーをオーバーテイクすることが求められる。(中略)競技長がセーフティカーの存在が引き続き必要であると判断しない限り、最後の周回遅れのマシンがリーダーをパスした時点で、セーフティカーは次のラップの終わりにピットへ戻る

◆競技終了時に確立した順位に対するメルセデスの抗議
裁定:抗議の棄却
実施された手続き:
1. 12月12日20時15分に各陣営が招集され、事情聴取が行われた。このヒアリングには下記の人物が出席した。
<メルセデス側代表>
ロン・メドウズ
アンドリュー・ショブリン
ポール・ハリス(法律顧問)
<レッドブル側代表>
ジョナサン・ウィートリー
クリスチャン・ホーナー
エイドリアン・ニューイ

レッドブルは“利害関係のある陣営”として参加を許可されている。

ヒアリングはレッドブルがさらなる詳細についての回答を検討できるよう、20時50分に中断され、21時30分に再開した。

再招集されたヒアリングにはレースディレクターが出席した。

2.  ヒアリングにおいて、スチュワード団の構成については異議がなかった。両陣営は口頭での議論に着手し、スチュワードに尋ねられた疑問に対処した。

3. ヒアリングにおいて、両陣営は提出された文書に言及した。レッドブルは図による情報を提出している。

メルセデス側の主張:
メルセデスは2件のスポーティングレギュレーション違反(第48条12項)があったこと、すなわち“リーダーによって周回遅れにされたいずれの(any)マシンも、リードラップに含まれるマシンとセーフティカーをパスすることを要請される”という文言、および“最後の周回遅れのマシンがリーダーをパスした際、セーフティカーはその翌周の最後にピットに戻る”という文言への違反があったと主張した。

メルセデスはこれらが遵守されていた場合、カーナンバー44がレースに勝利していたはずだと論じている。ゆえに、彼らはスチュワードにFIA国際スポーティングコード第11条9項3号hに基いて順位を修正するよう求めた。

レッドブル側の抗弁:
レッドブルは下記のように論じている。
1. “Any”(いずれの)は“all”(すべての)を意味してはいない。
2. スポーティングレギュレーション第48条13項は“Safety Car in this lap(この周でセーフティカーが入る)”のメッセージはその周の最後にピットレーンに入ることを合図すると述べている。
3. したがって第48条13項は第48条12項を“上書き”する。
4. 第15条3項はレースディレクターが“セーフティカーの使用”において“、“最優先の権威”だとしている。
5. たとえ周回遅れにされたすべてのマシン(計8台、セーフティカーのオーバーテイクが許されたのは計5台)がパスしても、レース結果は変わらなかった。

レースディレクターの証言:
レースディレクターは第48条12項の目的はリーダー間のレースに“干渉”すると見られる周回遅れのマシンを除外することにあり、彼の見解では第48条13項も本件に適用されると述べた。

また、レースディレクターは長きにわたって全チームが、可能な場合はレースが“グリーン”なコンディション(すなわち、セーフティカー先導下ではない状態で)終わることが強く望ましいとの見方で合意していることに言及した。

スチュワードの結論:
スチュワードはこの抗告を受け入れ可能なものだと見なしている。

両者のさまざまな意見を検討した結果、スチュワードは次のように判断した。

第15条3項によってレースディレクターはセーフティカーの利用を管理することが認められており、それには投入および撤収が含まれているというのがわれわれの判断となる。

セーフティカーが次のラップの終わりでピットに戻るという文言に対して、第48条12項が完全に適用されたとは言えないものの、第48条13項の方がそれよりも優先されるものであり、“セーフティカーはこのラップで入る”のメッセージが表示されれば、そのラップの終わりでセーフティカーを撤収させる義務がある。

メルセデスからはスチュワードが最後から2周目の終わりのポジションを反映するように最終結果を改め、事態を修正すべきとの要請があったが、これは事実上レースを遡及(そきゅう)的に短縮するものだとスチュワードは考えており、故に適切ではない。従って抗議は棄却される。

【A】