フェルスタッペンのペナルティに憤ったホーナー代表にも警告【カタールGP:ペナルティ】

レーススタート【カタールGP/ロサイル、2021年11月21日(Pirelli)】


シーズン第20戦カタールGPではイエローフラッグに適切に従わなかったとして2人のドライバーがペナルティを言い渡され、そのことに起因して1人のチーム代表者が警告を受けた。

レッドブルのマックス・フェルスタッペンは予選中にダブルイエローフラッグ区間で十分な減速を行わなかったことから5グリッド降格とペナルティポイント2点を言い渡されている。フェルスタッペンに対する裁定を下すにあたり、スチュワードは過去の例を引き合いに出しながら丹念に状況を確認した。

バルテリ・ボッタス(メルセデス)に対してはシングルイエローフラッグ区間での規定違反に3グリッド降格とペナルティポイント1点が科されている。イエローフラッグ無視についてはフェラーリのカルロス・サインツも招集を受けたものの、フラッグの原因となった停車中のマシンを視認して減速を行ったとの主張がテレメトリーからも確認されたため、おとがめなしで決着した。

一方、レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーはフェルスタッペンの裁定に納得していなかった様子で、レース前にマーシャルに対して礼を欠く発言があり、正式な警告を言い渡されている。ホーナー代表はレース後のコメントで次のように謝罪と説明をした。

「はっきりと述べておきたいのは、マーシャルたちは素晴らしい仕事をしてくださっており、われわれのスポーツは時間を捧げてくれている彼らのボランティア活動なしには成り立たないということ。不快な思いをさせてしまっていたとすれば、心からお詫びする。私が不満を感じたのはいかなる個人ではなく、決定そのものに対してだ」

その他を含め、カタールGPの週末を通してスチュワードが審議し、何らかの処分を下したインシデントおよびペナルティの詳細は以下の通り。

カタールGP初日:11月19日(金)

(金曜フリー走行1回目はペナルティなし)

【金曜フリー走行2回目】

◆シャルル・ルクレール(フェラーリ)
違反内容:ピットレーンを時速81.6㎞で走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:フェラーリに罰金200ユーロ(約2万5,000円)
裁定理由:カーナンバー16(ルクレール)が本イベントにおいて時速80kmと定められているピットレーンの速度制限を時速1.6㎞超過したため。

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時13分50秒 63. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)/1分25秒366
17時51分24秒  3. ダニエル・リカルド(マクラーレン)/1分31秒763
17時56分06秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分29秒882

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン7のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン7でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時25分37秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/1分23秒154
17時46分41秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/1分28秒565
17時50分28秒 14. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)/1分28秒693
17時54分57秒 14. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)/1分43秒012
17時57分59秒 16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)/1分30秒038

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

17時12分04秒 18. ランス・ストロール(アストンマーティン)/1分24秒733、ピットレーン

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

カタールGP2日目:11月20日(土)

【土曜フリー走行】

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

14時58分21秒 22. 角田裕毅(アルファタウリ)/1分24秒815

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

14時36分51秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分22秒721、ピットレーン
14時48分50秒 18. ランス・ストロール(アストンマーティン)/アウトラップ、1分25秒438
14時58分39秒 16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)/1分25秒748、ピットレーン

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ダブルイエローフラッグ区間の通過によるタイム抹消
違反内容:下記のマシンがダブルイエローフラッグの区間でオーバーテイク
裁定:レースディレクターの指示書第7条に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

14時47分04秒  6. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)/2分05秒590
14時47分05秒 47. ミック・シューマッハ(ハースF1)/2分18秒879
14時55分00秒  7. キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)/2分18秒969
14時55分07秒  6. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)/1分53秒437
14時55分16秒 44. ルイス・ハミルトン(メルセデス)/1分58秒173

裁定理由:スチュワードはタイミングインフォメーションと、上記のマシンがコース上で発生したインシデントに起因するダブルイエローフラッグが掲示されている区間にいたとのレースディレクターからの報告を検討した。よって、スチュワードは国際スポーティングコード第11条9項2号にある権限に基づき、レースディレクターの指示書第7条にある手順に従ってタイムを抹消する。

【予選】

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時02分21秒 47. ミック・シューマッハ(ハースF1)/1分24秒573

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン16のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン16でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

17時10分42秒 16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)/1分23秒120、ピットレーン
17時10分45秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分22秒975、ピットレーン

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆バルテリ・ボッタス(メルセデス)
違反内容:シングルイエローフラッグを順守せず、FIA国際スポーティングコード附則H第2章5条5項b)およびレースディレクターのイベント指示書第7条2項に違反
裁定:3グリッド降格、およびペナルティポイント1点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードはカーナンバー77のドライバー(ボッタス)とチーム代表者から話を聞くとともに、映像、テレメトリーおよびマーシャリングシステムの証拠を確認した。当該ドライバーはフラッグポイント16.6に掲示されていたイエローフラッグに気づかなかったことを認め、ピットストレートでカーナンバー10が停止していたことに気づいていたにもかかわらず、イエローフラッグ区間で求められる減速をしなかったと認めた

ボッタスの累積ペナルティポイント:5ポイント(2021年11月21日時点)

◆マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
違反内容:ダブルイエローフラッグを順守せず、FIA国際スポーティングコード附則H第2章5条5項b)およびレースディレクターのイベント指示書第7条2項に違反
裁定:
1)ダブルイエローフラッグ中のラップタイムである1分21秒282の抹消
2)5グリッド降格、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードはカーナンバー33のドライバー(フェルスタッペン)およびチーム代表者から話を聞くとともに、映像、マーシャリングシステム、テレメトリーの証拠を確認した。ダブルイエローフラッグはターン16の出口を過ぎたフラッグポイント16.6で掲示されていた(ただし、ライトシステムは起動していない)。

スチュワードは、イエローライトパネルの表示がなく、ダッシュボードの警告灯も表示されず、ドライバーへの音声信号もなかったことを踏まえてペナルティの軽減を求める当該ドライバーおよびチーム代表者の申し立てに留意する。その申し立てに共感はするものの、スチュワードは下記の事項を考慮した。

1.F1スポーティングレギュレーション第27条1項は、ドライバーが単独かつ補助を受けることなくマシンをドライブすることを定めている。

2.FIA国際競技規則付則H項はフラッグとライトが同じ意味を持つと定めている(したがってフラッグシグナルには従わなければならない)。

3.F1スポーティングレギュレーション第27条2項は、ドライバーは常に国際競技規則を遵守することを求めている。同規則では付則H項においてフラッグシグナルを遵守する責任を明確にドライバーに課しているため、当該チームはドライバーがイエローフラッグに到達する約34秒前にFIAマーシャリングシステムのイエローセクターがオフになり、それが「プレーオン」を意味すると主張したが、ダブルイエローフラッグ区間に進入する際はドライバーに適切な行動を取る責任がある。

4.スチュワードは当該チームおよび当該ドライバーの間でなされた音声のコミュニケーションを調査したが、上記3に示した状況に関して当該チームが当該ドライバーに示唆した瞬間はなかった。

5.当該ドライバーはコース右側にカーナンバー10(ガスリー)がいることを認識していた。機能しないマシンを確認した場合、カーナンバー55のドライバー(サインツ)の場合と同様、危険な可能性があること、イエローフラッグが掲示されている可能性があることを想定し、それに伴って適切な行動を取ることが期待されるのは合理的だ。

6.2020年オーストリアにおいてカーナンバー44(ルイス・ハミルトン/メルセデス)が、シングルフラッグが掲示された状況で違反した行為に対する通常のペナルティである3グリッド降格ペナルティを受けていること、また、2021年バーレーンにおいてカーナンバー5のドライバー(セバスチャン・ベッテル/アストンマーティン)がダブルフラッグ違反に伴う通常のペナルティである5グリッド降格処分を受けている。

以上のことから、スチュワードは上記に言及したダブルイエローフラッグの規定に違反した場合、標準的なペナルティを科す以外に選択肢はないと考える。

フェルスタッペンの累積ペナルティポイント:4ポイント(2021年11月21日時点)

カタールGP決勝:11月21日(日)

◆クリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)
違反内容::フラッグポイント16.6でダブルイエローフラッグを振ったフラッグマーシャルを“ならず者のマーシャル”と非難、FIA国際スポーティングコード第12条2項1号f)および第12条2項1号k)に違反
裁定:ホーナー氏への公式な警告
裁定理由:
スチュワードはチーム代表(クリスチャン・ホーナー)から事情を聴取した。彼は自分のリアクションがカーナンバー33のドライバー(マックス・フェルスタッペン)にペナルティが科された上で競技することに対するプレッシャーがかかる中でのリアクションだったと説明している。本件にかかわるマーシャルは国際スポーティングコードの規定に沿った方法で自らの仕事を行っていたと説明した。ホーナー氏は関連するマーシャルに謝罪するとともに、報道陣に悪気はなかったと説明することを申し出た。彼はまた、2月初旬に開催される予定の2022年FIA国際スチュワードプログラムに出席することも申し出ている。スチュワードは遺恨なくホーナー氏の提案を受け入れている。

【決勝】

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

17時46分29秒 14. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)/1分29秒846
18時13分10秒 31. エステバン・オコン(アルピーヌ)/1分29秒029

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

【A】