【カタールGP:決勝】ハミルトンがポール・トゥ・ウイン! 2位にフェルスタッペン、アロンソが3位表彰台

優勝したルイス・ハミルトン、2位のマックス・フェルスタッペン、3位のフェルナンド・アロンソ【カタールGP/ロサイル、2021年11月21日(Getty Images / Red Bull Content Pool)】


21日(日)、ロサイル・インターナショナル・サーキットを舞台に開催されたシーズン第20戦カタールGP決勝レースは、予選で2番手以下に0.4秒以上のリードを築く圧倒的な速さを示したメルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを決め、チャンピオンシップのギャップを8ポイントに縮めた。

予選ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが2番手、メルセデスのバルテリ・ボッタスが3番手のタイムを残していたが、Q3終盤にピエール・ガスリー(アルファタウリ)が縁石に乗り上げてフロントウイングを破損し、その影響でパンクチャーを抱えて停車した際に振られたイエローフラッグを無視したとして、フェルスタッペン(ダブルイエローフラッグ違反)とボッタス(シングルイエローフラッグ違反)にそれぞれ5グリッドと3グリッドの降格処分が科された。

そのため、ハミルトンと同じフロントローにはガスリーが繰り上がり、3番手にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、4番手にランド・ノリス(マクラーレン)、フェルスタッペンやボッタスと同様にイエローフラッグ違反の嫌疑がかかっていたものの十分な減速が認められたとしておとがめなしの裁定を受けたカルロス・サインツ(フェラーリ)が5番手から、その後方の6番手にボッタス、7番手にフェルスタッペンが並んで決戦に挑んだ。

全長5.380kmを誇るロサイル・インターナショナル・サーキットはホームストレートが1,000m超と長く、16あるコーナーのうち、ほとんどが中速から高速域とスピード感溢れるレイアウトだ。57周で争われた決勝レースは気温26.4度、路面温度31度、湿度75.4%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。

注目のスタートはハミルトンが好発進を決め、ガスリーが2番手でターン1を通過するも、アロンソがサイド・バイ・サイドに持ち込んでアルファタウリマシンを追い抜き、ポジションが入れ替わる。7番手スタートだったフェルスタッペンが大きく前進を遂げて4番手につき、ノリスが5番手、アルピーヌのエステバン・オコンを挟んでサインツは7番手に後退、アルファタウリの角田裕毅は8番手をキープしてオープニングラップを終えている。

予選Q2敗退を喫して11番グリッドに並んだレッドブルのセルジオ・ペレスが2つポジションを上げた一方、ペナルティで6番手から決戦に挑んだボッタスはスタート直後の攻防戦を経て11番手に後退してしまう。

ハミルトンが少しずつ後続を引き離しにかかる中、3周目の最終コーナーの立ち上がりでガスリーがわずかにコースを飛び出したスキにフェルスタッペンがスリップストリームに入り、ホームストレートでオーバーテイクを決めて3番手に浮上した。勢いに乗るフェルスタッペンは目の前にいたアロンソへの攻撃も成功させ、5周目には2番手に上がって次なるターゲットをライバルのハミルトンに絞る。

フェルスタッペンはハミルトンよりもコンマ数秒速いラップタイムで猛追するが、3秒強まで接近したライバルの様子を見てギアを上げたハミルトンがリードを再び5秒近くに広げた。すさまじい速さでバトルを展開する上位2台の一方で、3番手のアロンソは1分31秒台のペースにとどまり、ガスリーやノリスらライバルが1秒前後の間隔で列を成していた。

トップ8から4秒以上引き離された角田をアストンマーティンのランス・ストロールが追い抜くと、直後にはボッタスもオーバーテイクしてポジションを上げる。ペースに苦戦している角田はさらにフェラーリのシャルル・ルクレールにもプレッシャーを受け、すぐ後ろにはアルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンとマクラーレンのダニエル・リカルドも控えた状態に直面。状況を打破すべく、アルファタウリは角田をピットに呼び入れ、早々とソフトから新品のミディアムタイヤに交換してコースへと送り出している。

角田が最後尾で第2スティントを開始した後、ライコネンもピットに入ってミディアムタイヤに履き替え、角田から1秒の位置でコース復帰した。

もう1台のアルファタウリを駆るガスリーもソフトタイヤに手こずっているのかレースペースが思うように上がらないようで、ノリスにかわされてすぐにペレスにも追い抜かれ、14周目にピットインしてタイヤを交換している。ガスリーはすでに新品のミディアムを持っておらず、ユーズドのタイヤセットを装着し、角田の7秒ほど前となる18番手でコースに戻った。

1分27秒台に入れてファステストラップを連発するハミルトンは16周目の時点でリードを7.7秒に広げており、1分28秒台で走るフェルスタッペンとのギャップをさらに拡大していく。先に動きを見せたレッドブルは17周目の終わりにフェルスタッペンをピットに呼んだ。レッドブル陣営は第2スティントにハードタイヤを投入する戦略を採用している。これを受けてメルセデスとハミルトンも動き、ライバルと同じくハードタイヤを履いて9秒のアドバンテージを持って先頭につけたままコース復帰した。

フリーストップ状態だった先頭2台から3秒差の3番手をアロンソがキープしていたが、その後ろにはオーバーテイクを重ねて4番手にまで上がったペレスが迫っていた。ただ、ペレスは20周目にハードタイヤに履き替え、すでに1回目のピットストップを終えていたガスリーの7秒前、12番手の位置でコースに戻っている。

ピレリはミディアム、ハード、ミディアムとつなぐ2ストップ戦略が最速と想定しているが、ソフトタイヤで22周以上を走るドライバーも複数おり、1ストップで走りきろうという陣営も多くいることが予想された。

ペレスに4周遅れてピットストップを完了したアロンソはポジションをキープしたまま第2スティントを開始したが、ペレスが1秒差以内の位置に迫っており、2人のバトルはハードタイヤに履き替えて一層激しさを増している。それでも、勝負は数周の間に決着し、ホームストレートでアロンソのトウを得たペレスがホイール・トゥ・ホイールの攻防戦を制し、第1スティントを継続中のボッタスまで20秒差の4番手に浮上した。

レースが折り返し地点を過ぎた時点で先頭のハミルトンは7.5秒のリードを手にしていたものの、フェルスタッペンがファステストラップを更新したり自己ベストを更新したりしてチャージをかけ、残り25周を迎えてギャップは6.8秒に縮まっている。

その2人の後方3番手につけていたボッタスは第1スティントを最も長く走ってチャンスを最大化しようとしたが、34周目にタイヤの寿命が尽きたようで、左フロントタイヤがパンクチャーに見舞われ、必死にマシンをコントロールするもグラベルに乗り上げてしまう。なんとかコース復帰したものの、砂利をコース上に持ち込んでしまい、他のドライバーたちはそれらを避けながらレースをしなければならなかった。ボッタスはスロー走行ながら自力でピットにたどり着き、ノーズとタイヤを交換して13番手でコース復帰。表彰台も狙える好位置につけていたが、一転、厳しい状況に追い込まれている。

フェルスタッペンは42周目に2度目のタイヤ交換を完了、新しいミディアムタイヤに履き替えて2番手の位置でコースに復帰した。ボッタスの脱落で3番手に上がっていたペレスが続けてピットインし、こちらはユーズドのミディアムタイヤを装着している。レッドブルに対抗してメルセデスもハミルトンのタイヤをミディアムに戻し、残り15周を切ってハミルトンとフェルスタッペンのギャップは8.5秒となっていた。

ハミルトンとフェルスタッペンはトップと2番手のポジションをキープしたが、ペレスは7番手の位置で隊列に戻り、1分25秒747のファステストラップを刻んで前のストロールに接近すると、タイヤのアドバンテージを生かしてオーバーテイクを決め、オコンも料理して5番手に浮上する。アロンソの表彰台がかかるアルピーヌはオコンにできるだけペレスを抑えるように指示しており、オコンも必死にポジションを守ろうと防御に出たが、フレッシュタイヤの利点は大きく、結局はペレスにポジションを明け渡した。

事前の予想に反して1ストップ戦略を採用する陣営の方が多いように思われたものの、50周目を過ぎてタイヤが悲鳴を上げ始め、マクラーレンが4番手を走っていたノリスのタイヤ交換を済ませた直後、ウィリアムズのジョージ・ラッセルが左フロントタイヤにパンクチャーを抱えて緊急ピットインを余儀なくされる。さらに悪夢を見たウィリアムズはニコラス・ラティフィの左フロントタイヤにもパンクチャーが発生。すでにピットエントリーを過ぎていたラティフィはピットにたどり着けず、コース脇にマシンを寄せてリタイアを喫した。

タイヤにトラブルが相次いだことを受け、アルピーヌはアロンソに対して可能な限り縁石から距離を取るよう指示。1ストップ戦略で表彰台を目指すアロンソの7.8秒後方に迫ったペレスは1秒速いペースでラストスパートをかけていたが、ラティフィのウィリアムズマシンを撤去するにあたり、コースマーシャルを保護するためにバーチャルセーフティカーが発令されたため、全車が40%の減速を強いられている。

ファイナルラップを迎えてバーチャルセーフティカーが解除され、すでに最速タイムを記録していたフェルスタッペンはバーチャルセーフティカー中にソフトタイヤに履き替えてファステストラップの更新を狙い、優勝はハミルトンに譲ったものの、1分23秒196を刻んで追加の1点とともに2位フィニッシュを果たした。1回のタイヤ交換で走りきったアロンソが3位表彰台に上り、2ストップ戦略だったペレスは4位にとどまったものの、スタートが11番手だったことを考えればダメージリミテーションを成功させたと言えよう。

アルピーヌはオコンも5位入賞を果たしており、コンストラクターズ選手権5位の座を争うアルファタウリが2ストップ戦略でノーポイントに終わったことから、25点のリードを持って残り2戦に挑む。アルファタウリ勢はトップ10スタートだったにもかかわらず、2ストップ戦略がはまらず、ガスリーは11位、角田は13位での完走にとどまった。

6位にはストロールが入り、フェラーリのサインツとルクレール、ノリス、ベッテルが入賞してそれぞれポイントを加算している。

次のシーズン第21戦サウジアラビアGPは12月3日(金)に開幕し、初回セッションとなる金曜フリー走行は日本時間21時30分にスタート予定だ。

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