5人がグリッド降格、悪天候の影響も【ロシアGP:ペナルティ】

レーススタート【ロシアGP/ソチ、2021年9月26日(Scuderia Ferrari)】


シーズン第15戦ロシアGPでは5名のドライバーがグリッド降格処分を科されたほか、悪天候による日程の変更や、路面コンディションに影響されたルール違反が見られた。

前戦でメルセデスのルイス・ハミルトンと接触したのを受けて3グリッド降格を言い渡されていたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、複数のパワーユニットエレメントを交換して規定数超過によるグリッド降格ペナルティを科された。

他にもフェラーリのシャルル・ルクレール、ウィリアムズのニコラス・ラティフィ、メルセデスのバルテリ・ボッタスがパワーユニット交換によって、アルファロメオ・レーシングのアントニオ・ジョビナッツィがギアボックス交換によってグリッド位置を下げている。

スチュワードは土曜フリー走行について“レースディレクターおよびコースクラークの要請”を受け、レギュレーションに沿って“不可抗力による”キャンセルを決定。また、マクラーレンのダニエル・リカルドとランド・ノリスが、それぞれ雨天による難しいコンディションが引き金となった違反行為に対して戒告を言い渡されている。

さらに、決勝中にウエット状態の路面に足を取られて他車と接触したウィリアムズのランス・ストロールには、10秒のタイムペナルティとペナルティポイント2点を科すとの裁定が下された。

その他を含め、ロシアGPの週末を通してスチュワードが審議し、何らかの処分を下したインシデントおよびペナルティの詳細は以下の通り。

ロシアGP初日:9月24日(金)

【金曜フリー走行1回目】

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第22条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

11時38分51秒 99. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)/2分14秒861
11時44分03秒  7. キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)/1分56秒321
11時51分49秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/2分03秒475

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第22条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆シャルル・ルクレール(フェラーリ)
違反内容:4基目の内燃機関(ICE)、4基目のターボチャージャー(TC)、4基目のMGU-H、3基目のエナジーストア、3基目のコントロールエレクトロニクスを使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条2項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのレーススタート
裁定理由:このペナルティは第23条2項(b)に基いて適用された。

【金曜フリー走行2回目】

◆ニキータ・マゼピン(ハースF1)
違反内容:ピットレーンを時速77.1㎞で走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:ハースF1に罰金1,000ユーロ(約13万円)
裁定理由:カーナンバー9(マゼピン)が本イベントにおいて時速60kmと定められているピットレーンの速度制限を時速17.1㎞超過したため。

◆マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
違反内容:4基目の内燃機関(ICE)、4基目のターボチャージャー(TC)、4基目のMGU-H、4基目のMGU-K、3基目のエナジーストア、3基目のコントロールエレクトロニクスを使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条2項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのレーススタート
裁定理由:このペナルティは第23条2項(b)に基いて適用された。

◆キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)
違反内容:ピットレーンを時速67.8㎞で走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:アルファロメオ・レーシングに罰金800ユーロ(約10万4,000円)
裁定理由:カーナンバー7(ライコネン)が本イベントにおいて時速60kmと定められているピットレーンの速度制限を時速7.8㎞超過したため。

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第22条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

15時56分46秒 11. セルジオ・ぺレス(レッドブル)/1分44秒753

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第22条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

ロシアGP2日目:9月25日(土)

【土曜フリー走行】

◆土曜フリー走行
レースディレクターおよびコースクラークの要請を受け、F1スポーティングレギュレーション第15条3項(a)ならびにFIA国際スポーティングコード第11条9項3号mと第11条9項3号oに従い、不可抗力による土曜フリー走行3回目のキャンセルをもって、安全性のために公式プログラムを変更することを決定した。

レギュレーションや関連する時間的制限に対応すべく、レースディレクターの勧告がない限り、フリープラクティス3は実施されたものと見なされる。

【予選】

◆ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
違反内容:4基目の内燃機関、4基目のターボチャージャー、4基目のMGU-Hを使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条2項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのレーススタート
裁定理由:このペナルティは第23条2項(b)に基いて適用された。

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第22条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

15時10分20秒 44. ルイス・ハミルトン(メルセデス)/2分09秒690
15時10分16秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/2分32秒332
15時12分51秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/2分36秒661
15時14分06秒  9. ニキータ・マゼピン(ハースF1)/2分39秒950
15時15分02秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/2分00秒048
15時15分42秒 11. セルジオ・ぺレス(レッドブル)/2分41秒495
15時29分11秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/2分02秒536
15時56分53秒 31. エステバン・オコン(アルピーヌ)/2分32秒379

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第22条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ダニエル・リカルド(マクラーレン)
違反内容:ターン2でカーナンバー18の走行を妨害、FIA F1スポーティングレギュレーション第31条5項に違反
裁定:戒告(ドライビング/今季1回目)、およびマクラーレンに警告
裁定理由:スチュワードはカーナンバー3のドライバー(リカルド)とカーナンバー18のドライバー(ランス・ストロール/ウィリアムズ)、およびチーム代表者らから事情を聴取し、ビデオとチームラジオによる証拠を確認した。カーナンバー3のドライバーはスローダウンラップ中で、マクラーレンからチームメイト(カーナンバー4/ランド・ノリス)の接近について注意を受けていた。後方の視認性はウエットコンディションの影響を受け、カーナンバー3のドライバーはカーナンバー18の接近に気づいておらず、スチュワードの見解によれば、その接近は最後の瞬間まで視認できなかったと思われる。ちょうどカーナンバー3をパスしていったカーナンバー4が起こした水しぶきもそれを悪化させていた。

当該コンペティター(マクラーレン)はカーナンバー18がファストラップを終えてスローラップ中だったという誤った想定をしていたことを認めているものの、実際にはカーナンバー18は改善しつつある(ウエットではあるものの)路面コンディションを受けて2週連続でファストラップを行っていた。したがって、チームは当該ドライバーにカーナンバー18の存在について伝えなかった。

スチュワードはカーナンバー3のドライバーがカーナンバー18の存在に気づいてから可能な限り早いタイミングで、ラインからどけるためのアクションをすぐに行ったことをここに指摘する。

スチュワードはこの状況を過去2シーズン半で生じた他のすべての妨害のケースと比較した。スチュワードはこの件がほぼ“不必要な妨害”であり、ルールの抵触であることからペナルティが必要だと考えているものの、すべての状況を考慮して戒告が最も適切で一貫性があると感じている。

しかしながら、マクラーレンがカーナンバー3の後方のトラフィックを正確にモニターしないというミスを犯しているのは明らかであり、正式な警告がコンペティターに科されるとともに、今後は同様の過ちに対して追加での罰金やその他のペナルティがコンペティター(および関連するドライバー)に科される可能性があることをここに指摘する。

◆バルテリ・ボッタス(メルセデス)
違反内容:5基目の内燃機関、5基目のターボチャージャー、5基目のMGU-Hを使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条2項(a)に違反
裁定:15グリッド降格
裁定理由:このペナルティは第23条2項(b)に基いて適用された。

◆アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)
違反内容::ギアボックス交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条4項(a)に違反
裁定:5グリッド降格
裁定理由:カーナンバー99(ジョビナッツィ)のギアボックスが6戦連続の使用期間が経過する前に変更されたため。

ロシアGP決勝:9月26日(日)

【決勝】

◆ターン2のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン2でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第22条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

15時09分28秒 47. ミック・シューマッハ(ハースF1)/1分44秒586
15時35分09秒 63. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)/1分41秒915
16時10分39秒 77. バルテリ・ボッタス(メルセデス)/1分41秒316

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第22条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ランス・ストロール(アストンマーティン)
違反内容:ターン8でカーナンバー10と接触、FIA国際スポーティングコード附則L第4章第2項(d)に違反
裁定:第47条3項bに基づくレース後のタイムペナルティ10秒(レースタイムに10秒加算)、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードはカーナンバー18のドライバー(ストロール)とカーナンバー10のドライバー(ピエール・ガスリー/アルファタウリ)、および各チームの代表者らから事情を聴取し、ビデオの証拠を確認した上で、カーナンバー18にターン8でのカーナンバー10との接触の全面的な責任があると断じた。

古いハードタイヤを履いていたこともあり、非常に滑りやすいコンディションだったというカーナンバー18のドライバー(ストロール)の証言は記録されたものの、それでもそうした全く同じコンディションでコースを離れていたドライバーには、他にも2台のマシンがすぐ近くにいたことを考慮に入れ、コースに合流し、次のコーナーにターンインする際には彼らに配慮した適切なドライビングをすべき責任があったとスチュワードは判断した。

ストロールの累積ペナルティポイント:8ポイント(2021年9月26日時点)

◆ランド・ノリス(マクラーレン)
違反内容:ピットレーンとコースの間のペイントされたエリアを通過、FIA国際スポーティングコード第12条2項1号(i)およびレースディレクターの指示書第20条4項に違反
裁定:戒告(ドライビング/今季1回目)
裁定理由:スチュワードはカーナンバー4のドライバー(ノリス)とチーム代表者から事情を聴取し、ビデオやラジオ、テレメトリーによる証拠を確認した上で、レギュレーション違反への関与があったと判断した。FIA国際スポーティングコード第20条が定める不可抗力の定義に当てはまらないため、本件は不可抗力とは見なされない。

しかしながら、スチュワードはその前の周でカーナンバー4がターン17(ピットエントリーに隣接)を比較的高速で、コントロールを失うことなく通過した点を考慮している。その次のラップでコンディションは急速に悪化し、コースの場所によって異なっていた。ドライバーはピットエントリーで大幅に減速し、速度は当該ドライバーの通常のピットエントリースピードのおよそ半分ほどになっていたものの、なおもコントロールを失い、スライドしつつピットエントリーとコースの間のペイントされたエリアを通過した。

当該ドライバーは他のドライバーたちがインターミディエイトに交換している中でハードコンパウントのスリックタイヤでコースにとどまり、レースポジションを維持するという意味でのアドバンテージを得ようとしていたものの、ペイントエリアを横切ったことは意図的ではなく、状況的に予測できることではなかったとわれわれは判断した。

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