コースではバトル、コース外では団結【イギリスGP:ペナルティ】

メルセデスのルイス・ハミルトン【イギリスGP/シルバーストーン、2021年7月18日(Mercedes-AMG Petronas Formula One Team)】


第10戦イギリスGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と接触したメルセデスのルイス・ハミルトンにはペナルティが科されたものの、そのハミルトンに浴びせられた人種差別的発言についてはライバル同士がコース外で団結して対抗した。

決勝を2番グリッドからスタートしたハミルトンはオープニングラップでポールスタートのフェルスタッペンと激しく競り合い、ターン9でついに2人は接触。これによってフェルスタッペンのレースは終わった一方、ハミルトンは10秒のタイムペナルティを科されながらも巻き返して母国で優勝を飾っている。

このクラッシュを受け、ハミルトンにはインターネット上で人種差別的な暴言が浴びせられた。メルセデスやF1、FIAなどがこれを強く非難。ハミルトンのコース上の行為自体は批判していたライバルのレッドブルも、人種差別的発言には憤りと悲しみを示している。

「メルセデスAMGペトロナスF1チームの声明」

「昨日のイギリスGPの間とその後、レース中の接触を受けてルイス・ハミルトンが複数の人種差別的発言を受けた」

「F1とFIA、メルセデスAMGペトロナスF1チームはこういったふるまいを可能な限り強い言葉によって批判する。われわれのスポーツにこういった人間の居場所はなく、われわれは彼らの行為に責任が課されることを要請する」

「F1、FIA、ドライバーと各チームはより多様性と内包性のあるスポーツを目指して取り組んでおり、ネット上での受け入れがたい暴言は取り沙汰され、除外されなくてはならない」

「(メルセデス:)コース上でバトル。コース外で団結」

「(レッドブル:)われわれはコース上で激しく戦うライバル同士である一方、人種差別に対しては一致団結している。われわれのチーム、競争相手、ファンに対するいかなる人種差別的発言に対しても、われわれはこれを非難する」

「われわれはマックスと接触したルイスが昨日にソーシャルメディア上で受けた人種差別的発言を見て、憤り、悲しんでいる。そこにいかなる言い訳もなく、われわれのスポーツにはこういったものが存在する余地はまったくない。そして、発言の当事者に責任が課されるべきである」

また、新たな試みとして実施されたスプリントクオリファイイングでは、ハミルトンと同じくイギリス出身のジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)が他車との接触で3グリッド降格を言い渡されている。レース中の同様の違反についてはタイムペナルティが科されるものの、スプリントクオリファイイングは決勝レースのグリッドを決めるものであることから、スチュワードは今回の制定に至った。

その他を含め、イギリスGPの週末を通してスチュワードが審議し、何らかの処分を下したインシデントおよびペナルティの詳細は以下の通り。

イギリスGP初日:7月16日(金)

(金曜フリー走行はペナルティなし)

【予選】

◆ターン15のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン9でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

18時53分21秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分27秒276
19時00分43秒 11. セルジオ・ぺレス(レッドブル)/1分26秒813

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

イギリスGP2日目:7月17日(土)

【土曜フリー走行】

◆ターン9のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン9でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

12時07分28秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分34秒543
12時44分07秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分30秒831
12時52分55秒 99. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)/1分32秒328
12時59分30秒 22. 角田裕毅(アルファタウリ)/1分32秒450

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン15のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン15でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

12時38分28秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分32秒414

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)
違反内容:レースディレクターの指示(イベントノート第18条1項)に従わずスタート練習、FIA国際スポーティングコード第12条2項1号(i)に違反
裁定:警告
裁定理由:スチュワードはカーナンバー5のドライバー(ベッテル)とチーム代表者から事情を聞き、ビデオの証拠を確認した。カーナンバー5はスタート練習をレースディレクターの指示書に指定されている方法で行わなかった。これらの指示の意図についてはドライバーおよびチームらと共に、スプリントクオリファイイングのフォーマットという観点から議論されていた。スチュワードは警告を科すものと裁定したが、今後こういった違反があった場合、より厳しいペナルティが科される可能性があることに留意されたい。

◆ニキータ・マゼピン(ハースF1)
違反内容:レースディレクターの指示(イベントノート第18条1項)に従わずスタート練習、FIA国際スポーティングコード第12条2項1号(i)に違反
裁定:警告
裁定理由:スチュワードはカーナンバー9のドライバー(ハースF1)とチーム代表者から事情を聞き、ビデオの証拠を確認した。カーナンバー9はスタート練習をレースディレクターの指示書に指定されている方法で行わなかった。これらの指示の意図についてはドライバーおよびチームらと共に、スプリントクオリファイイングのフォーマットという観点から議論されていた。スチュワードは警告を科すものと裁定したが、今後こういった違反があった場合、より厳しいペナルティが科される可能性があることに留意されたい。

【スプリントクオリファイイング】

◆ターン9のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン9でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

16時42分30秒  7. キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)/1分32秒928
16時44分02秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分33秒219
16時47分14秒  6. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)/1分33秒212
16時53分23秒 99. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)/1分32秒481

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
違反内容:ターン6でカーナンバー55(カルロス・サインツ/フェラーリ)と接触、FIA国際スポーティングコード附則L第4章第2項(d)第39条8項に違反
裁定:3グリッド降格、およびペナルティポイント1点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードはカーナンバー63(ラッセル)およびカーナンバー55のドライバーとチーム代表者らから事情を聴取し、証拠映像を確認した。カーナンバー63(ラッセル)とカーナンバー55(サインツ)がターン6にアプローチした際、コースの中央付近ながらカーナンバー63がインサイド、カーナンバー55がアウトサイドにいた。カーナンバー63がフロントブレーキをわずかにロックアップし、コーナーの出口に差し掛かったタイミングでアンダーステア気味になり、カーナンバー55と接触、これによりカーナンバー55はコースから押し出されて芝生に乗り上げた。今回のインシデントはカーナンバー63に過失があったと判断される。

スチュワードはレース中にこの種の規定に違反した場合は通常のグランプリレースの長さに応じたタイムペナルティが科せられることに留意している。しかしながら、スプリントクオリファイイングはレースのグリッドを決めるために行われるため、スチュワードは今回のようなグリッドポジションに対するペナルティがより適切だと考える。

ラッセルの累積ペナルティポイント:7ポイント(2021年7月17日時点)

◆セルジオ・ぺレス(レッドブル)
違反内容:3基目のエナジーストア(ES)、3基目のコントロールエレクトロニクス(CE)を使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのレーススタート
裁定理由:このペナルティは第23条3項(a)および第23条3項(b)に基いて適用された。

◆セルジオ・ぺレス(レッドブル)
違反内容:リアウイングのアセンブリおよびサスペンションのセットアップとフロントブレーキの冷却システムを変更、3基目のコントロールエレクトロニクス(CE)、FIA F1スポーティングレギュレーション第34条6項に違反
裁定:ピットレーンからのレーススタート
裁定理由:変更されたリアウイングが予選で使われたものとは異なり、サスペンションとフロントブレーキの冷却のセットアップにも変更が加えられていた。リアウイングの交換とサスペンションとフロントブレーキの冷却のセットアップ変更はFIA技術代表の承認の下で行われた。

リアウイングは異なるものであり、サスペンションとフロントブレーキの冷却のセットアップ変更はマシンがパルクフェルメ状態に置かれている際に実施されたため、当該コンペティターはFIA F1スポーティングレギュレーション第34条6項に基づいてピットレーンからのスタートが義務づけられる。

イギリスGP決勝:7月4日(日)

【決勝】

◆ルイス・ハミルトン(メルセデス)
違反内容:ターン9でカーナンバー33(マックス・フェルスタッペン/レッドブル)と接触、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(d)に違反
裁定:10秒のタイムペナルティ、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードは映像と測定データを確認した。カーナンバー33がリードし、カーナンバー44(ハミルトン)はそのやや後方のインサイドに位置する形でターン9に入った。カーナンバー44はコーナーのエイペックスに達さないコースを走行し、インサイドにはスペースがあった。カーナンバー33がコーナーに入った際にカーナンバー44は接触を避けず、カーナンバー44の左前部がカーナンバー33の右後部に接触している。カーナンバー44の過失が大きいと判断された。

ハミルトンの累積ペナルティポイント:4ポイント(2021年7月18日時点)

◆ターン9のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン9でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム]

15時50分24秒 55. カルロス・サインツ(フェラーリ)/1分34秒026
15時52分03秒  7. キミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)/1分35秒251
15時52分05秒 99. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)/1分35秒379
15時53分39秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分35秒158
15時55分04秒  3. ダニエル・リカルド(マクラーレン)/1分33秒710
15時59分59秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分34秒825
16時06分17秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分34秒314
16時07分52秒 11. セルジオ・ぺレス(レッドブル)/1分34秒081
16時21分29秒 55. カルロス・サインツ(フェラーリ)/1分31秒819
16時29分21秒  4. ランド・ノリス(マクラーレン)/1分33秒668
16時58分04秒 16. シャルル・ルクレール(フェラーリ)/1分32秒026

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

◆ターン15のコース逸脱によるタイム抹消
違反内容:ターン15でコースを逸脱、FIA国際スポーティングコード附則L第4章2項(c)ならびに第12条2項1号(i)、およびレースディレクターの指示書第21条に違反
裁定:FIA国際スポーティングコード第12条4項1号eおよびFIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づくタイム抹消

[違反時間 カーナンバー. ドライバー(コンペティター)/抹消タイム、翌周の抹消タイム]

16時27分15秒 10. ピエール・ガスリー(アルファタウリ)/1分53秒002
16時29分02秒  5. セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)/1分33秒713

裁定理由:スチュワードは映像を確認し、レースディレクターからタイミングインフォメーションを受け取った。上記マシンはコースを逸脱した。このペナルティはレースディレクターの指示書第21条(第12条2項1号[i]参照)、およびFIA国際スポーティングコード第12条4項1号eに基づいて適用されている。

【A】