プロフィール
ランド・ノリスは1999年11月13日、イギリス・ブリストルの裕福な家庭に生まれる。7歳からレース活動を始め、2012年にフォーミュラ・カート・スターズのチャンピオン、MSAスーパーワン・イギリス選手権で2位になった。2013年にはカート界を席巻し、CIK-FIA KFJヨーロッパ選手権、CIK-FIA KFJスーパーカップ、WSKユーロシリーズKFJ選手権、CIK-FIAインターナショナル・スーパーカップ、そして世界カート選手権でタイトルを取る。さらにはWSKマスターズシリーズで準優勝。また、14歳でCIK-FIA KF世界選手権チャンピオンとなり、ルイス・ハミルトンが持っていた最年少チャンピオンの記録を破った。
その後シングルシーターのレースに移り、2016年にフォーミュラ・ルノー2.0ノースヨーロピアンカップ、同ユーロカップ、さらにニュージーランドのトヨタ・レーシングシリーズ選手権でチャンピオンとなる。同年12月に将来が期待される若手ドライバーに贈られる、マクラーレン・オートスポーツBRDCヤングドライバーアワードを受賞。2017年にはマクラーレン・ホンダF1のテスト兼シミュレーションドライバーとしての役割をこなしながらヨーロッパF3選手権に挑戦し、10月にタイトルをつかんでいる。2018年はマクラーレンでの役割がテスト兼リザーブドライバーとなる一方、FIA F2選手権に参戦して総合2位の成績を残した。
2019年、ノリスは19歳でマクラーレンのレギュラードライバーに昇格する。開幕戦のオーストラリアGPでは予選8番グリッドを獲得して周囲を驚かせた。続く第2戦バーレーンGPでは6位でフィニッシュし、初ポイントを得る。しかし、その後は予選でチームメイトのカルロス・サインツをたびたび上回るも、レースではマシントラブルなどにより思うような結果が残せなかった。第13戦ベルギーGPでは5番手につけながら、ファイナルラップでエンジントラブルによるリタイアを余儀なくされた。ランキング11位につけたシーズンを振り返り、本人は「長かったけど全体的には満足できるシーズンだった。本当にいい改善をすることができたし、大いに楽しんだ」と話している。また、F1公式のファン投票でこのシーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により大幅に遅れた2020年シーズンの開幕戦オーストリアGPで、いきなりシーズン最高の瞬間がノリスにやってきた。予選で自己ベストの3番手という好位置を獲得し、レースでは序盤に順位を下げたものの、競争力の向上したマクラーレンのマシンを乗りこなして快走する。レース終盤にペレス(レーシング・ポイント)をパスし4番手に上がると、上位のハミルトン(メルセデス)が5秒のタイムペナルティを受けたことをチャンスとみてペースアップ。ファイナルラップでファステストを記録し、3位でフィニッシュした。自身初となる表彰台を振り返って、ノリスは「天にも昇る気分だよ」とコメント。その後もコンスタントにポイントを獲得し、4位と5位を2度ずつ記録する。前年より4レース少ないながらも約2倍の97ポイントを獲得し、ランキング9位でシーズンを終えた。